川越大蔵茶陶苑
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茶陶苑 茶陶苑 時を超えてよみがえる歴史の香り

 

茶陶苑の軌跡
くつろぎのひととき 茶陶苑の写真
蔵々の特徴

川越の蔵々は他の町に多く見られるような倉庫や作業場としての目的のみで建てられた蔵ではなく、店舗としての機能を合わせ持った「店蔵」です。そもそも川越の町に蔵造りの建物が形成されるきっかけとなったのは、明治26年の大火でした。この大火災で店を消失した川越商人達が防火対策を考慮した新しい町造りについて思案し始めた時、この大火の中でも焼け残った建物があり、その全てが伝統的な工法による蔵造りの建物であることに気付きました。そして焼け残った蔵造りの建物の1つが、嘉永3年(1850年)に建てられた亀屋山崎茶店の大蔵でした。
蔵造りの建物は火に強い。こうして商人達は耐火性に優れた蔵造り建築による新しい店を建て始め、自身の建物を守り、互いの延焼を防ぐことにしたのです。そして更に商人達は実用性だけではなく建物そのものの美しさを求め、伝統的な蔵造りに加え、煉瓦や大谷石、御影石など当時の新しい建築資材を用いた装飾的工夫を凝らし、魅力のある店としての外観と機能を合わせ持つ「店蔵」を創り上げていったのです。

ひときわ美しい外観
レンガ塀写真

亀屋山崎茶店は、天明3年(1783年)創業の和菓子の老舗亀屋(山崎家)から明治10年に分家し、お茶の商いを始めました。周囲に黒漆喰の重厚な蔵が多い中で、当時から軽やかで洗練された瀟洒な雰囲気を漂わせていました。銀灰色の瓦は京都の一文字瓦を配し、正面の窓は横長開放型で、千本格子をはめ込んだ京風の繊細なデザインとなっており、この店舗部分は、明治26年の川越大火後に新築されたもので、隣接している煉瓦のアーチ門、煉瓦の塀は、明治の頃のモダンで洒落た雰囲気を漂わせています。
煉瓦の塀は奥まで続いており、そこには明治の大火を免れた、嘉永3年(1850年)建築の大蔵があります。この大蔵は、川越の蔵の中でも圧倒的な大きさで、数少ない白漆喰仕上げの美しい外観となっており、蔵の大きさは南北12間(約21.8m)東西5間(約9.1m)の吹き抜け2階建てで1階が約60坪、2階が約37坪となっております。
そして今、亀屋山崎茶店は、この茶樹の緑と四季の樹木に溢れ、陶磁器の土の香りある空間を「茶陶苑」と名づけました。カフェやギャラリーをレイアウトし、更には蔵造りの構造を活かした音響効果でコンサートホールとしてもお楽しみいただけます。時を超えた歴史の香りを感じながら、茶陶苑で老舗のお茶を召し上がり、ゆったりとしたくつろぎのひと時をお過ごしいただければと思っております。

茶陶苑内装写真

建物1階の下屋と呼ばれる部分の竹格子や障子は、明治、大正時にお茶の輸出が盛んであった頃の手揉み乾燥用炉のあった作業場を復元したものです。
大蔵内部の牛梁、天秤梁、母屋、垂木や6本の主柱は、この大蔵が江戸末期の建造物であるという歴史を感じさせる重厚な造りとなっています。

     
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